あなたが地方への移住を考えているのであれば、
「都会と比べて光熱費が高くなる!」
と聞いたことがあるかもしれません。
それでも電気代に関しては
「電力会社が同じなら、そんなに変わらないだろう」
と考えていませんか?
実際はどうかというと、電気代は「高くなる」と考えておいた方がいいでしょう。
移住後に後悔しないように、我が家で実際にかかった電気代を、移住前と移住後で比べながら考えてみたいと思います。
また、できるだけ電気代をおさえるために、我が家で行った対策もご紹介します。
目次
移住前後1年間の電気代を比較
2020年11月、我が家は家族3人で神戸市から淡路市に移住しました。
まずは、移住後1年間の電気代を、前年対比でくらべてみます。
※表は横にスクロールできます。
神戸(2020年) | 淡路(2021年) | |||
使用量 | 料金 | 使用量 | 料金 | |
12月 | 212 | 5,276 | 647 | 18,017 |
1月 | 360 | 9,496 | 795 | 22,341 |
2月 | 273 | 6,896 | 268 | 6,629 |
3月 | 241 | 6,026 | 294 | 7390 |
4月 | 196 | 4,807 | 235 | 5,857 |
5月 | 287 | 7,262 | 250 | 6,453 |
6月 | 221 | 5,480 | 208 | 5,300 |
7月 | 268 | 6,734 | 298 | 7,884 |
8月 | 335 | 8,642 | 475 | 13,444 |
9月 | 343 | 8,815 | 322 | 8,733 |
10月 | 292 | 7,202 | 250 | 6,680 |
11月 | 210 | 4,965 | 268 | 7,299 |
合計 | 3,238 | 81,601 | 4,310 | 116,027 |
平均 | 270 | 6,800 | 359 | 9,669 |
単価 | 1kwh | 25.20 | 1kwh | 26.92 |
神戸市より淡路市の方が、冬場と夏場で電気代が大幅に高くなっています。
1年間の合計をみると、淡路の利用量は神戸の133%、淡路の電気代は神戸の142%となっています。
移住前後の環境
神戸市と淡路市で、電気代に影響する環境の変化をまとめます。
①家
神戸市・・・間取り3LDK、広さ約83平米、マンション、メインLDK約18畳
淡路市・・・間取り4LDK、広さ約240平米、戸建2階建、メインLDK約31畳
家族3人ともリビングにいる時間が長く、夜は同じ寝室で寝ています。
②電力会社と検針日
神戸市、淡路市とも同じ「関西電力」です。
神戸にいた時は「なっトクパック」という契約で、電気と都市ガスをセットにする事で、若干の割引きが受けられる内容でした。
淡路に来てからは、ガスがプロパンガスですので、セットでの契約ができません。
とりあえずは2年目以降の比較対象とするために「従量電灯A」で契約しました。
検針日は、神戸では毎月10日ごろ、淡路では毎月20日ごろです。
多少誤差はありますが、影響がないものと考えることとします。
③家電
家電製品はほとんど同じ状況ですが、電気ポットをやめ、電気ケトルに変えました。
電気ポットの電気代は1ヶ月あたり500円〜600円程度なので、1年使うと1ヶ月分程度の電気代がまかなえる計算になります。
その割に我が家では、朝のコーヒー程度でしか使わなかったので、移住をきっかけに、その都度電気ケトルで沸かすようにしました。
ちなみに、電気ケトルでコーヒー用のお湯を沸かすと、1杯(200ml)あたり1円弱ですし、1分程度で沸かせますので、その都度沸かしてもストレスになりません。
④気温・気候
神戸市と淡路市は、気温の差はあまりありません。
ですが、我が家の場所が淡路市の西海岸沿いということもあり、冬型の西高東低の気圧配置では、西からの冷たい風がダイレクトにぶつかります。
西海岸側は同じ淡路島でも、冬は特に寒さを感じるエリアとなっています。
⑤浄化槽の維持
淡路市の移住先では、下水処理が合併浄化槽という仕組みでした。
この合併浄化槽を維持するために電源が必要となり、月間あたり約36kWhを消費し、約970円の電気代に相当します。
月ごとの傾向と対策
電気代は、移住したら家が広くなる分
「少しぐらいは増えるだろうな」
ぐらいに考えていました。
延床面積が約3倍になりますが、主な生活スペースは2階のLDKです。
LDKだけで言えば、広さは約1.7倍ですから、電気代も季節によっては最大で1.7倍ぐらいまでは許容範囲かなと考えておりました。
移住当初の対策としては、電気ポットから電気ケトルへ換えた程度でした。
12月
神戸 | 淡路 | ||
212kwh | 5,276円 | 647kwh | 18,017円 |
移住してから最初の1ヶ月目の請求を見て、びっくり仰天です!
前年同月比で電気代は、なんと " 3倍 ” 以上となりました!
「すぐに他の対策もしなければ!」
とまずは、照明の全面LED化に着手しました。
照明は、元々付いていたものをそのまま利用していました。
メインで過ごす2階部分で40wの直管蛍光灯が16本、40wの電球が14個ありましたので、合計で1,200w分にもなります。
これを全てLED化したところ、明るさがアップしたので、直管型の照明を6本減らし、20wの直管LEDが10本、7.5wの電球が14個となり、合計で305w分にまで減らせました。
また、1階はあまり使っていませんが、40wの直管蛍光灯が32本、20wの直管蛍光灯が4本、40wの電球が4個あり、合計で1,520w分もありました。
これも全て2階と同じようにLEDへ交換し、合計で710wまで減らせました。
全てLEDにしたことで、最大で2,720wあった照明が、最大1,015wまで減らすことができました。
1月
神戸 | 淡路 | ||
360kwh | 9,496円 | 795kwh | 22,341円 |
2ヶ月目の請求を見て、さらにびっくり仰天しました!
請求金額が2万円を超えたことは、これまで経験がありません。
前年対比でも ” 2.4倍 ” と、先月の前年比よりはおさえられたものの、さらなる対策の必要性を強く感じました。
原因はエアコンの使用率が大幅に上がったことです。
そこで、こたつと石油ファンヒーターを用意しました。
こたつは、神戸で使っていたダイニングテーブルの足を切って、座卓として使っていたものを、さらにDIYしました。
天板を分離して、ホームセンターで買ってきた「こたつ用ヒーター」をつけました。
石油ファンヒーターは、妻の実家からいただいてきました。
さらに、家着用にもふもふのファーリーフリースを家族分買ってきました。
そして、できる限りエアコンを使わないように工夫しました。
2月
神戸 | 淡路 | ||
273kwh | 6,896円 | 268kwh | 6,629円 |
3ヶ月目、請求を見てようやくほっとしました。
前年対比でほぼ同じ水準です。
ただ、石油ファンヒーター用に石油18Lを2回買いました。
石油代は合計で2,772円(77円/L)でしたので、加算すると9401円となります。
石油代を含めても前年対比で約1.4倍ですから、移住前の見積り以下にまで改善できました。
3月〜6月
神戸 | 淡路 | |||
3月 | 241kwh | 6,026円 | 294kwh | 7,390円 |
4月 | 196kwh | 4,807円 | 235kwh | 5,857円 |
5月 | 287kwh | 7,262円 | 250kwh | 6,453円 |
6月 | 221kwh | 5,480円 | 208kwh | 5,300円 |
昨年の5月に神戸の電気代が上がっているのは、初の緊急事態宣言で、学校や会社が休みになって、家族で巣ごもりしていたためです。
3月から6月にかけては季節の変わり目でもあり、電気代に多少の前後はありますが、総合的に見てみると神戸では945kwhの23,575円、淡路では987kwhの25,000円となり同じような水準になりました。
7月〜8月
神戸 | 淡路 | |||
7月 | 268kwh | 6,734円 | 298kwh | 7884円 |
8月 | 335kwh | 8642円 | 475kwh | 13,444円 |
暑くなってきて、エアコンを使う季節になってきました。
我が家の生活スペースは2階になっていて屋根が近いせいか、照りつける太陽の温度がそのまま伝わってくるような暑さを感じます。
しかも、エアコンは日中ほとんど効きません。
なぜなんだと、改めて我が家のエアコンの性能を調べてみました。
すると、冷房面積は鉄筋アパート南向き洋室で17畳が目安ですが、木造南向き和室の場合は11畳が目安となっていました。
LDKの広さは31畳ありますので、あきらかにパワー不足・・・
ちなみに、暖房面積は鉄筋アパート南向き洋室で14畳、木造南向き和室の場合は11畳が目安となっていました。
鉄筋マンションと木造戸建てでは、冷暖房にこれほどの差があることを初めて知りました。
よく、電気屋さんでエアコンの性能をみると「◯畳〜●畳」と表記されていますが、「木造だと◯畳、鉄筋だと●畳」ということだったんですね。
そりゃ、初めての冬の電気代に驚くわけです。
ただ、冬場はエアコン以外にも暖房器具がありますが、夏場にエアコン以外は扇風機ぐらいしかなく、冷気の循環ができても、温度そのものを下げることはできません。
当然、エアコンも扇風機もフル稼働で電気代も急上昇です。
来年は必ずエアコンを買い替えようと家族で決めました。
それでも救いだったのは、淡路島がシーズン中だということです。
海が近く「暑くなってきたから海入りに行こか」という感じで、気軽に海水浴に行けましたし、外でBBQもよくしてましたので、冬場よりも家にいることが少なかった分、対策にもなったと思います。
9月〜11月
神戸 | 淡路 | |||
9月 | 343kwh | 8,815円 | 322kwh | 8,733円 |
10月 | 292kwh | 7,202円 | 250kwh | 6,680円 |
11月 | 210kwh | 4,965円 | 268kwh | 7,299円 |
涼しくなってきてエアコンを使わなくなる時期に入り、この3ヶ月を総合的に見てみると、神戸では845kwhの20,982円、淡路では840kwhの22,712円と再び同じ水準になってきました。
ただ、今年(2021年)は早い時期から肌寒くなりはじめたこともあり、10月の中旬には石油を買ってこたつを出しましたので、11月は神戸の時より高い水準となっています。
電気代の「傾向と対策」まとめ
淡路では神戸の頃より電気代が高くなりましたが、淡路に限らず、都会から地方への移住は同じような傾向にあると思います。
もちろん、引っ越し前後で条件がどのように変化したかにもよりますが、淡路や他の地方・田舎の土地は都会に比べて安い傾向にあり、移住前と比べて建物の延床面積や、部屋の大きさが広くなる割合が多いと思います。
加えて、都会はマンションの比率が高く、地方・田舎は戸建ての比率が高くなっていますので、マンションから戸建てへ引っ越す場合も多いでしょう。
電気代の請求額をみて驚かないように、「高くなる」という心構えと、対策はしっかりと考えておきましょう。
効果が高かった対策
・電気ポットをやめた
月々500円〜600円かかるコストをカットすることができます。
使う頻度が低い人は、その都度お湯を沸かす方が安くすみます。
・全証明をLEDに換えた
照明は必ずLED化した方がいいです。
少ない電力で、より明るくすることができます。
・石油ファンヒーターやこたつを併用した
神戸では鉄筋のマンションで暖かくエアコンのみでまかなえましたが、木造の戸建ては寒く即効性の高い暖房と組み合わせる方がコストパフォーマンスが高い結果になりました。
・部屋着としても防寒着を着るようにした
家の中で厚着をするのは少し抵抗がありましたが、今では慣れました。
また、防寒着だけではなく、裏起毛のスリッパをはくようにもしました。
その他の対策
・ブルーレイレコーダーでの録画をやめた
自動録画機能など、見ない番組が勝手に録画されます。
当初は便利な機能と思っていましたが、見ずに消すことが増えました。
これを繰り返すうちに、この手間と時間と電気代が無駄に感じるようになりました。
・TVを見ながらの食事をやめた
部屋のレイアウト上、ダイニングからTVを見るのは角度的に難しいということもありましたが、TVの時間が減ったた分、電気代は減ったことでしょうし、家族の会話は増えました。
・TVゲームはPlay Station 4をやめ、Nintendo Switchだけにした
TVゲームは大好きで、ずっとやっていた時期もありましたが、ここ数年はほとんどゲームをやっていなかったので、待機電力が無駄に感じました。
また、ひとりでゲームをもくもくとやるより、娘とわいわい言いながらの方が楽しいと思うようになってきたこともあります。
消費電力を調べてみると、Play Station 4は230w、Nintendo Switchは16wということです。
・子どものTVゲームやYouTube(TVで視聴)の時間を決めるようにした
あくまでも教育上の目的ではありますが、結果的に電気代の節約にも繋がっていると思います。
これからやりたい対策
・エアコンの買い替え
今のエアコンは10年ほど使っていますし、部屋のサイズに適したエアコンにすれば、費用対効果も高まります。
次の夏までに買い換えるのが目標です。
・新電力への乗り換え
この1年を通じて、神戸と淡路での契約の違いによる1kwhあたりの単価が計算できました。
淡路ではとりあえず関西電力の「従量電灯A」にしましたが、仮に神戸と同じ「なっトクパック」だった場合は、7,415円も節約できた計算になります。
他にもさまざまな会社が参入していますので、比較検討したいと思います。
まとめ
電気代について、対策費用もそれなりにかけましたが、結果的に神戸の約1.4倍におさえることができましたし、2年目以降からはさらに効果を高めることができそうです。
ただ、地方や田舎への移住は、都会のせわしさから解放されたい、のんびりとスローライフを楽しみたいといった目的もあると思いますので、対策や節約がストレスになってしまうと本末転倒です。
無駄なコストを省きつつ、ストレスにはならないようなラインを探して取り組んでみてください。
今回も最後までご覧いただき、ありがとうございます。
これからも、淡路島での暮らしぶりや、観光・グルメスポットなどの情報を、主観を交えつつご紹介していきます。
これからも応援のほどよろしくお願いします!