【光熱費】淡路島の水道代について「傾向と対策」

地方への移住を考えたとき、光熱費が全体的に高くなるイメージがあると思います。

その中で水道代の料金形態は、地域によって傾向が様々で
「都会だから安い」
「地方や田舎だから高い」
とは言えません。

では、淡路島はどうかというと、残念ながら全国的に見てかなり高い水準となっています。

淡路島へ移住してから、後々こんなはずじゃなかったと後悔しないよう、水道代について、我が家の実績をを参考にしながら考えてみたいと思います。

また、水道代をおさえるために、我が家で行った対策もご紹介します。

目次

移住前後1年間の水道代を比較

2020年11月、我が家は家族3人で神戸市から淡路市に移住しました。

まずは、移住前後1年間の水道代をくらべてみます。

とはいっても、一定の生活パターンが続く限り水道代もほぼ一定で、季節要因はあまりありません。

また、水道代は上水と下水に分かれ、下水は神戸と淡路で仕組みが違いますので、分けて考えます。

神戸での上水道は、年間を通して1ヶ月あたりの使用量は20㎥で、料金は2,500円程度でした。

これに対して淡路へ移住後、上水道の1年間の実績は以下です。

※1㎥=1000L

淡路 使用量 料金
12月 16㎥ 3,630
1月 37㎥ 10,285
2月 16㎥ 3,630
3月 16㎥ 3,630
4月 19㎥ 4,290
5月 18㎥ 4,070
6月 19㎥ 4,290
7月 12㎥ 2,750
8月 18㎥ 4,070
9月 14㎥ 3,190
10月 12㎥ 2,750
11月 13㎥ 2,970
合計 190㎥ 43,120
平均 15.8㎥ 3,593

淡路に来てから、多少の例外はありますが、月を追うごとに徐々に使用量を減らせるようになってきました。

 

移住前後の環境

神戸と淡路で水道に関する環境の変化をまとめてみます。

①車

神戸市・・・車はありませんでした。

淡路市・・・車を買い、庭で洗車するようになりました。

②トイレ

神戸市・・・タンクに手洗いの水栓が付いているタイプでした。

淡路市・・・手洗いの水栓が別になっています。2021年7月にリフォームし便器を交換しました。

③洗面所

神戸市・・・手動の混合水栓でした。

淡路市・・・手動の混合水栓でしたが、2021年7月にリフォームし、自動の混合水栓へ交換しました。

④お風呂

お風呂は毎日お湯を張り替え、次の日に持ち越すことはありません。

神戸市・・・ユニットバスのサイズは1.8×1.8の2畳タイプでした。

淡路市・・・ユニットバスのサイズは1.2×1.6の1畳タイプでしたが、2021年7月にリフォームし、サイズは1.6×1.6の1.5畳タイプになりました。

⑤下水

神戸市・・・普通の下水道です。

淡路市・・・合併浄化槽という仕組みになりました。

⑥請求のタイミング

神戸市・・2ヶ月に1回です。

淡路市・・1ヶ月に1回です。

⑦水道の口径

神戸市・・20mmです。

淡路市・・13mmです。

上水道について

淡路の上水料金は、とても高い水準です。

上水道ランキング

2021年5月に公開された、「ミズコム」の上水道の水道料金ランキングによると、全国的に見て1,345の市町村中、1,185と、非常に高い水準であることがわかります。

水道の口径が13mmで、20㎥使用した場合の1ヶ月の上水料金ランキング(抜粋)

順位 市町村 料金
1位 兵庫県赤穂市 853
321位 兵庫県神戸市 2,516
1,185位 淡路島(兵庫県) 4,428
1,345位 北海道夕張市 6,841

同じ兵庫県でも、大きな差がありますね。

水道料金が高い理由

淡路島は、気候が温暖で降水量が少なく、まとまった大きな川や湖などの水源もないことから、慢性的で深刻な水不足に悩まされてきた歴史がありました。

そこで明石海峡大橋できた時に、この橋を使って島外から水を運びこめるようにしたことで、やっと島全体に安定的に供給が可能になったということです。

大規模な設備を維持管理するわけですから、それなりのコストがかかるはずで、島の人口を考えると、世帯あたりの負担が増えるのは当然のことと思います。

下水道について

淡路島の下水事情は、神戸とは大きく異なります。

下水道の普及率は、神戸で98.8%ですが、淡路市で59.6%、洲本市で26.8%、南あわじ市で67.3%(いずれも平成30年末時点)です。

そして、移住先の我が家は、下水ではありませんでした。

では、どうなってるかというと、合併浄化槽という浄化設備がついていました。

下水道は、各家庭から出る排水を処理場まで集めて一括で浄化処理を行いますが、浄化槽は家ごとに設置されており、自宅の敷地内で浄化処理を行います

浄化槽とは

浄化槽とは、家から出た汚水・排水を、ろ過し、微生物やバクテリアによって分解し、水を浄化する設備で、単独浄化槽と、合併浄化槽の2つのタイプがあります

単独浄化槽はトイレから出る汚水・排水だけを浄化し、その他の生活排水は、そのまま流すタイプで、合併浄化槽は家から出る全ての汚水・排水を浄化するタイプです。

単独浄化槽は環境に悪く平成1341日以降の新設は法律で禁止されました。

また、各自治体が単独浄化槽から合併浄化槽への切り替えに補助金を負担するなどの取り組みを行なっています。

下水料金、浄化槽維持費

下水料金は、上水と違いメーターが付いていませんので、正確な使用量が測れません。

そこで、上水で使った分を下水に流しているとみなして、上水の使用量を基準に料金が決まります。

水道をたくさん使えば上下水料金とも高くなりますし、あまり使わなければ安くなるというわけです。

一方、浄化槽はそのような仕組みではありません。

浄化設備そのものが自宅に設置されているわけですので、下水料金のようなものはありませんし、上水の使用量も関係ありません。

その代わりに、維持管理に費用がかかります。

どんな費用かというと、
①法定検査 
年に1回 5,700
②保守点検 年に3
回 15,700×3回の17,100
③汲み取り清掃 2
年に1回 20,000円程度で、1年あたり10,000
と年間の合計で3
2,800円、月換算で約2,730円がかかる計算になります。

神戸では、上水を20㎥使用した場合の下水料金が約1,800円だったので、約1.5倍となります。

運営会社と水道代の見積もり

淡路島では、島全体を淡路広域水道企業団という事業者が運営しています。

水代のシミュレーションはこの淡路広域水道企業団のHPからできます。

淡路島では水道の口径によって、基本料金が変わります。

神戸は20mm以下は一律料金でした。

移住先の我が家は13mmですので基本料金は1,210円です。

従量料金は、1㎥あたりの単価が10㎥ごとに上がっていく仕組みです。

浄化槽は1ヶ月あたりの平均コストとしました。

神戸では、1ヶ月あたりの使用量は20㎥でしたので、これを元に淡路の水代を見積もってみました。

神戸 淡路
上水(20㎥) 2,500 4,510
下水・浄化槽維持費 1,800 2,730
合計 4,300 7,240

計算して驚愕しました。なんと約1.68です。

引っ越し前に計算しておいてよかったです。

移住後すぐに対策をしました。

月ごとの傾向と対策

まず、淡路は神戸にくらべて、水道の口径が20mmから13mmへ小さくなりますので、時間あたりの水量は減ると考えました。

加えて、蛇口ごとに水圧を調整し、ある程度開いても水が出過ぎないようにしました。

また、キッチンの蛇口に後付け用の節水タイプの浄水機を取り付け、お風呂のシャワーヘッドを節水タイプへ交換しました。

そして、お風呂の水位を許容ギリギリまでさげました。

12月~3

神戸 淡路
合計(使用量) 上水(使用量) 浄化槽 合計
12月 4,300(20㎥) 3,630(16㎥) 2,730 6,360
1月 4,300(20㎥) 10,275(37㎥) 2,730 13,005
2月 4,300(20㎥) 3,630(16㎥) 2,730 6,360
3月 4,300(20㎥) 3,630(16㎥) 2,730 6,360

神戸の水道代は、年間を通じてほぼ一定でしたので、平均値を当てはめています。

淡路の浄化槽も同様に、維持費の月当たりの平均値を当てはめています。

対策の結果初月は16㎥と、神戸の20㎥に比べて大幅に減らすことができました。

しかし、1月の料金については、大失敗により大打撃をうけました。

この月は自宅で初めて洗車をしました。

その時使った庭の蛇口を閉め忘れてしまったのです。

とはいっても、シャワーのレバーを握らなければ水が出ることはありません。

そして、次の朝会社に行こうと外に出たら、ホースがこのような状態に、、、

水がダダ漏れ状態になっておりました。

あわてて蛇口を閉めましたが、問題はどれだけ水が出たかです。

色々計算してみると、約20㎥を無駄にしてしまったようです。

1ヶ月分以上の量です。

しかも使用量は、10㎥を超えるとに1㎥あたりの単価が110円から220円に、20㎥を超えると1㎥あたり308円にアップしますので、使用量が増えれば増えるほどコスパの悪くなる料金設定になっているのです。

この失敗にはかなり反省し、外にでるときは頻繁に蛇口の閉め忘れを確認するようになりました。

そして、3ヶ月目と4ヶ月目は初月と同じ16㎥となりました。

ヶ月目の失敗がなければ、この4ヶ月を通して16.25㎥が平均ですので、上水料金は3,630円程度を今後も推移していくと思います。

浄化槽の維持コストと合わせると、6,360円となり、神戸の4,300円からは、1.48倍にはなりますが、移住前の見積もりよりは少し安く抑えられたと思います。

4月〜6月

神戸 淡路
合計(使用量) 上水(使用量) 浄化槽 合計
4月 4,300(20㎥) 4,290(19㎥) 2,730 7,020
5月 4,300(20㎥) 4,070(18㎥) 2,730 6,800
6月 4,300(20㎥) 4,290(19㎥) 2,730 7,020

暖かくなり、洗車を頻繁にするようになりました。

また、汗をかくようになってくると、日中にもシャワーをするようになりましたので、利用量が増える結果となりました。

7月〜8月

神戸 淡路
合計(使用量) 上水(使用量) 浄化槽 合計
7月 4,300(20㎥) 2,750(12㎥) 2,730 5,480
8月 4,300(20㎥) 4,070(18㎥) 2,730 6,800

7月に移住前から気になっていた、トイレとお風呂と洗面所をリフォームし、キッチンの蛇口を交換しました。

7月はリフォームの影響で、5日間、我が家のお風呂は使っていませんので、利用量が減っています。

トイレは、便器のみ交換しました。

パナソニックのアラウーノVです。

手洗いは別についていますので、手洗いなしのタイプにしました。

トイレの便器は2000年頃のもので、古くなっており汚れていたのがリフォームの理由ですが、節水効果も大きいとのことです。

流す時の水の量ですが、一般的に大は約8L、小は約6Lのようです。

これに対して、アラウーノVは、大は約4.6L、小は約3Lということです。

お風呂は、壁を壊して120×160から160×160へ面積を広げ、ユニットバスごと交換しました。

TOTOのサザナです。

お風呂も2000年頃のもので、ちょっと狭かったのと、掃除してもしても取れない汚れがあったのと、浴室暖房がついていなかったのと、暖かくなってきてコバエが沸き始めたこともあり、リフォームしました。

シャワーヘッドは、もちろん節水タイプのものです。

お風呂のサイズを広げた分、バスタブも大きくなりましたが、底の一部分が盛り上がっており、水量の割には水位を高くすることができるようになりましたので、つかるときも快適になりました。

また、ぼくはシャワーを使わないようにし、バスタブのお湯で髪の毛や体を洗うようにしました。

キッチンの蛇口も、2000年頃のもので、シャワーホースがついていなかったので交換しました。

LIXILの節水タイプの混合水栓で、シャワーホースと洗浄機(カートリッジ式)付きです。

洗面所もリフォームし、蛇口は節水タイプの自動混合水栓へ交換しました。

洗面所は、水が出しっぱなしになりがちで、一番無駄の出やすい蛇口と考えていたのが交換の理由です。

一方で7月中旬から8月下旬までは、週に2、3回海水浴へ出かけるようになりました。

海水浴から帰ってくると、水着や体についた砂を落とすために、庭でシャワーをします。

また、日中家の中はエアコンがほとんど効かず、汗はかきまくりで、シャワーの回数も増えました。

逆に、洗車は週に1回程度だったのが、洗っても洗ってもすぐに汚れて切りがないので、月に1回程度に減りました。

9月〜11月

神戸 淡路
合計(使用量) 上水(使用量) 浄化槽 合計
9月 4,300(20㎥) 3,190(14㎥) 2,730 5,920
10月 4,300(20㎥) 2,750(12㎥) 2,730 5,480
11月 4,300(20㎥) 2,970(13㎥) 2,730 5,700

海水浴もなくなり、日中にシャワーをすることがなくなりました。

平常時の利用ということになりますので、リフォームの成果が如実に現れてきたと思います。

この3ヶ月を平均すると13㎥ですので、神戸で20㎥だった利用量を35%カットできたことになります。

また、水道代合計としては、神戸で4,300円だったものが、5,700円となり、約1.33倍で済むようになりました。

水道代の「傾向と対策」まとめ

神戸から淡路への移住で水道代が高くなりましたが、これは水道の使い方より地域性によるものが大きいです。

すでに紹介した通り、淡路島の水道代は全国的に見ても非常に高い水準です。

必要なことに、必要な分だけ使うような工夫や仕組みづくりが必要です。

効果の高かった対策

・水圧の調整

各蛇口ごとの根本に、元栓がついていると思いますので、適度に締めて水が出過ぎないように調整しましょう。

・トイレの交換

便器が古くなっているようであれば、思い切って交換してしまうのも手です。

東京水道局の調査によると、水道の20%はトイレで使われているということです。

新しいトイレは、約半分の水量ですみますので、それだけで全体の1割をカットできる計算になります。

・シャワーヘッドの交換

お風呂のシャワーヘッドは、節水タイプへ交換しましょう。

出る量を減らす代わりに、水圧をかけて勢いを上げ、同じ感覚を目指しているものが一般的です。

ただし、節水効果が高すぎると、物足りなさを感じ、ストレスの原因につながりやすいと思います。

我が家でも、リフォーム前に2個試しましたが、80%の節水をうたったものより、50%の節水をうたったものの方が心地良かったです。

バランスの良いものを選びましょう。

・蛇口の交換

できれば手動水栓から自動水栓へ交換しましょう。

洗面所の配管周辺に電源がなくても、電池方式のものがあります。

我が家も電池方式ですが、一度の電池交換で2年程度もつようです。

手動水栓だと、手を洗っている間、歯を磨いている間、流しっぱなしになりませんか?

その都度蛇口を閉めればいいのですが、石鹸の泡がハンドルについて、それを洗うときにシンクの周りがびしょびしょになって、拭き掃除まですることになったりしませんか?

自動水栓は、水道代だけでなく掃除の手間も減らすことができることに気がつきました。

その他の対策

・調理器具や食器は、油が付いているものを一緒にしない

基本のことだと思いますが、油を落とす水の量が減らせます。

それから、鍋や鉄板などは冷める前に油分を軽く取っておいた方がいいですね。

・車の汚れは気にしない

我が家は、黒を選んだので汚れが目立ちます。

土の道も多く、風が強いので砂埃も舞いますし、雨の日には水溜りができ、泥跳ねもしょっちゅうです。

家の前の道が舗装されておらず、土丸出しの状態ですから回避は不可能です。

移住してきてから春頃までは、汚れた都度洗車してましたが、最近では多少の汚れは気にしなくなりました。

それに、地元の方々もあまり気にしていません。

逆に島外から観光でピカピカに磨いた高級車で来た人を見ると、無傷で帰れるだろうかと心配するようにすらなりました。

・洗濯機の買替え

7年程度使っていた縦型の洗濯機(9kg)から、ドラム式の洗濯機(11kg)へ買い替えました。

カタログ上、1回の洗濯で使う標準使用水量が、99Lから75Lへ約25%カットできるようです。

また、1回で洗える衣類の量が増えましたので、洗濯そのものの回数も減らすことができました。

さらに、洗浄力も高まったようなので、すすぎが1回で済む洗濯洗剤を使うようになりました。

・シャワーを使わない

家族の中で勝手にぼくだけがそうするようになりました。

髪の毛や体は、バスタブのお湯で洗います。

そして、バスタブのお湯が減って、家族からクレームが出ないように、最後に入るようにしています。

お湯は毎日張り替えていますし、体を洗った後は結局そのバスタブにつかりますので、衛生的にも全く気になりません。

検討中の対策

・浄化槽から下水への切り替え

我が家近隣の下水事情を調べてみると、家のすぐ前まで下水の配管が来ているということです。

もし配管が来てから3年以内に接続工事をすると、市から援助金が出るようですが、我が家は過ぎてしまっているようです。

また、市が認可した業者でしか工事ができないということですが、実際にどれくらい工事費がかかるかは、その中から業者を選び見積もりに来てもらわないといけないので、手間がかかるのも事実です。

でも、とりあえずイニシャルコストは置いておいて、ランニングコストがどれぐらいかかるかというと、上水の使用量を13㎥とした場合、下水料金は約2,090円ということです。

浄化槽の維持コストが月当たり約2,730円ですので、1ヶ月あたり640円程度安くすみます。

今後数十年住むことを考えると、実際に工事の見積もりに来てもらうのもいいかもしれません。

まとめ

淡路島の水道代は非常に高い水準ですが、神戸のときの約1.33倍におさえることができるようになってきました。

ただ、何度か言っておりますが、地方や田舎への移住は、都会のせわしさから解放されたい、のんびりとスローライフを楽しみたいといった目的もあると思いますので、対策や節約がストレスになってしまうと本末転倒です。

ストレスにならない範囲で無駄を省きながら、上手に節約していきましょう。

今回も最後までご覧いただき、ありがとうございます。

これからも、淡路島での暮らしぶりや、観光・グルメスポットなどの情報を、主観を交えつつご紹介していきます。

これからも応援のほどよろしくお願いします!

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