【移住体験記】住宅ローン残債あり!自宅分譲マンションの売買

移住をする場合、当然ですが今住んでいる自宅をどうするか考えないといけません。

賃貸の場合は、解約すればすむ話ですが、持ち家となるとそう簡単にはいきません。

我が家は、2020年11月に神戸市から淡路市へ移住しましたが、移住前は分譲マンションに住んでいました。

しかも、移住した段階で、まだ処分が決まっておらず、住宅ローンもまだまだ残っている状況でした。

しかし、最終的には購入価格より高く売却することができました。

この記事では、持ち家である分譲マンションを、購入から売却するまでの軌跡を体験を交えながら、赤裸々にお話ししたいと思います。

目次

マンションの購入

2011年、後に夫婦となる我々は、結婚に向けて色々と準備を進めていました。

そんな中突然
「結婚したら、こんな家に住みたい」
とパソコンの画面を見せられました。

マンションの間取り図

破格の分譲マンション

物件は2002年竣工の中古マンションで、13階建ての4階部分でした。

間取りは3LDKの83平米で、収納スペースも十分にとってあり、22平米のバルコニーがついていました。

立地としては、駅まで徒歩4分で、特急や快速が停まります。

10分圏内に、保育園、小学校、役所、図書館があり、病院も、小児科、内科、眼科、耳鼻咽喉科、皮膚科、歯科などが一通り揃っていました。

また、10分圏内には他にも、スーパーが5つ、ドラッグストアが3つ、コンビニが5つほどあり、カフェやイタリアン、洋食、ラーメン屋、居酒屋などの飲食店は多数あり、ブランドが数十店舗入った大型のショッピングモールもありましたので、徒歩圏内でほぼ全てのものがそろうという場所でした。

立地もいい、広さも十分にある、にもかかわらず、価格は1,680万円と超超超破格でした。

9年落ちの中古マンションとはいえ、周辺の相場の半分以下の価格です。

「事故物件ではなかろうか」
と心配になりながらも、内覧を申し込むことにしました。

内覧

内覧にいくと、前のオーナーさんがまだ入居中で、30代であろうご夫婦と、小学生低学年と5才ぐらいの女の子2人の4人家族でした。

新築の時からお住まいということです。

事故物件ではなさそうで、ホッとしました。

物件の状態は、総合的に良い状態と判断できるものでした。

水回りにトラブルはなく、給湯器も正常に作動していました。

床は、家具などを引きずったすり傷や、細かい凹みなどがありましたが、気になるようなものではありませんでした。

洗面所の床だけ湿気による劣化が進んでいました。

壁紙はタバコのせいで、どの部屋も真っ黄色になっていました。

その他のアピールポイントを聞いてみると、入居者だけが上がれる屋上庭園があるということです。

エレベーターのパネル内に鍵穴がついていて、家の鍵を差し込んで回すと、屋上のボタンが光って押せるようになる仕組みでした。

屋上庭園からは、山と街と海が一望できる、神戸らしい大パノラマが広がっていました。

後は、なぜこんなに安いのかということです。

仲介業者の担当に話を聞くと、最近ちょうど2,080万円から400万円値下げしたということでした。

元の2,080万円ですら激安物件ですが、実はこれには大きな理由が2つありました。

1つは物件が地上権だということ、もう1つは住み出してから分かったことですが、物件が差押えの状態であり、競売にかかる寸前だったということでした。

地上権

地上権というのは、建物は分譲マンションと同じで所有することになりますが、土地は借地となります。

そして、あらかじめ借地の期間が決められており、このマンションの場合は竣工から50年間ということで、その時点で建物を解体し更地にして土地を持ち主に返さないといけない、ということなのです。

そしてこの期間に、短縮も延長もない代わりに、解体時の所有者へ200万円の保証金が支払われるということでした。

2002年竣工ですので、2052年に解体され更地になることが決まっており、内覧時点で残りの残存期間が41年ほどだったというわけです。

これを聞くと、わざわざ購入する意味がないように思うかもしれません。

しかし、当時は少し安易な部分もありましたが、このように考えていました。

・立地のよい広いマンションに格安で住める

ローンの返済、団体信用生命保険、固定資産税、管理費を支払っても、近隣同条件の賃貸相場の3分の2程度で住める計算になりました。

ぼく自身は、物件を所有することにあまり執着がなかったので、賃貸感覚で考えていました。

・解体時に200万円戻ってくる

解体時に200万円戻ってくるのであれば、実質1,480万円と考えました。

最後まで所有しているかは分かりませんし、繰上げ返済したのちに売却するバターンもあるかもしれません。

また、住宅ローンの金利差を計算に入れていませんので、実質200万円引きと考えるのは無理がありますが、当時は安易にそのように考えていました。

・解体後も住む場所に困らない

41年後の解体時、ぼくは70歳になっています。

現在であれば、70歳から物件を探すことは難しいかもしれません。

ですが、日本の人口は2004年の約1億2800万人をピークに減少傾向にあります。

そして、マンションが解体される2050年ごろには、9500万人ぐらいまで減少することが予測されています。

人口は現在の4分の3程度になりますので、空き家などが増え続けることでしょうし、住宅市場も大幅に変わっていくことでしょうから、70歳から物件を探すことも容易になっていると考えました。

・賃貸として運用できる

将来的に住まなくなっても賃貸に出せば、立地のよさからすぐに借り手がつくと考えました。

賃貸相場の3分の2程度で住めるということは、運用をして収益化も見込めると考えたのです。

・資産を残さずにすむ

所有した家が、将来子供が住みたいと思う家とは限りません。

また、人口減少によって需要と供給のバランスが崩れて、価値がどのように変わるか分かりません。

いくら住宅が資産になるとはいえ、買い手がつかず、借り手がつかない物件になってしまえば、金食い虫の負債でしかなくなります。

ですから、最終的に残らないということが、メリットの1つにもなると考えたのです。

差押え

差押えについては、当然といえば当然ですが、最後まで担当者が口にすることはありませんでした。

では、なぜ分かったかというと、登記簿謄本(登記事項証明書)に書いてあったからです。

登記簿には、所有者の情報、抵当権の設定と借入金の額、差押えなど、物件の履歴が全て記載されています。

差押えのあった時期や、売却開始時期、大幅値下げの時期などを考えると
「競売がかけられるまで秒読みの段階だったんだな」
と想像することができました。

また、記載されていた借入金額を見ると、一括返済ができて、仲介手数料や抵当権の抹消費用、引越し費用などを考えると、
「1,680万円という金額がギリギリだったんだろうな」
と想像することもできました。

購入

こうして、物件自体をすっかり気に入ってしまったぼくたちは、内覧の1週間後には手続きを進めることとなりました。

そして、物件価格の1,680万円を全額借り入れ、「フラット35S」という住宅ローンを35年で組んで、購入にいたりました。

住宅ローンは、固定金利2.4%で、10年間の金利1%引きと、10年間の住宅ローン控除(各年の年末時点の残債の1%)が受けられる条件でした。

購入時、その他にかかった費用は、仲介手数料が60万円、火災保険が35年分で30万円、登記料10万円、リフォームは壁紙と洗面所の床を張り替えて50万円で、計150万円程度でした。

また、2016年の日銀によるマイナス金利政策の影響で、フラット35の金利が爆下がりし、割引後の金利を下回ったので、借り換えをしました。

ちなみに、借り換えをしても、住宅ローン控除は引き続き受けられます。

賃貸か、売却か

2020年6月、淡路島への移住を家族で決断しました。

これまで9年間住んできたこのマンションを今後どうするかを考えないといけません。

賃貸に出して不動産所得を得るか、売却して負債を清算するか、です。

賃貸

まずは、賃貸に出す場合のことを考えました。

立地条件はかなりよかったので、周辺の同じような条件の賃貸を見てみると、相場は思った以上に高く、住宅ローン・管理費・団体信用生命保険・火災保険・固定資産税を支払っても、単純計算で年間60万円程度の不動産所得が期待できると考えました。

ところが、色々と調べてみると、そう甘くは無さそうです。

まず、住所ローンについてですが、フラット35はあくまで申込本人かその親族が住むことを前提に、低金利で借りられて、税制優遇が受けられる仕組みであって、投資用の物件には適用できないようです。

ですので、住宅を賃貸に出す場合は、残りの住宅ローン残高を、投資用住宅ローンへ借換えないといけないということです。

そして、借換えのデメリットとして、手数料がかかるのはもちろん、金利が跳ね上がるので、月々の返済額や返済期間が増加してしまいます。

余談ですが、フラット35のまま、賃貸ししていることが発覚した場合は、賃貸契約は解除させられますし、残債の一括返済が求められます。

また、悪質な場合は詐欺罪などの刑事告訴を受ける場合もあるということです。

実際に、詐欺に利用されることもあるということなので、マンション経営を持ちかけられ、フラット35などの住宅ローンを勧められた場合は、詐欺ですのご注意ください。

そして、物件は築20年になろうとしており、色々な設備が老朽化しております。

現に移住の話が出た矢先に給湯器が故障し、交換することになり20万円もかかりました。

賃貸として貸し出す場合は、設備が故障するたびにこちらで対応しなければいけません。

さらに、管理会社に任せれば、入退去の都度、仲介手数料として賃料の1ヶ月分を支払うことになりますし、管理費として毎月賃料の5%を支払うことになります。

その上で、リフォームやホームクリーニングなどの対応や、空室期間のリスク、税金の支払いまで考えると、単純計算で期待した不動産所得はほとんど残らないという結果になると判明し、我が家の状況での賃貸しは非常にコスパが悪いことを知りました。

マンションの売却

そして、賃貸で家を運用した場合のことを妻に説明し、売却の意思を固めました。

査定

次に気になるのは査定額です。

近隣の状況や売却相場などをある程度調べたところ、どうやら物件の価値は上昇中のようです。

ネットのデータに信憑性があるかは別として、期待に胸を膨らませながら仲介業者さんに来てもらいました。

すると、査定額は、な、な、なんと、2,180万円ということで購入時の約1.3倍で超絶アップでした!!

これは、直近5年間の同じマンション内の実際の売却価格や、物件の状態から査定されたものです。

ただし、実際には値下げ交渉などが入るということですので、最初は高めに設定し、状況に応じて値下げをしながら、最終的に購入時より少しプラスを狙う戦略でいきましょうということでした。

また、コロナの影響で物件の動き方が例年と違う点や、地上権の残存期間が32年という点など、不安定な要素もあることから、市場の反応をみながら進めていきたいとのことでした。

しかし、ここから売却まで、非常に長い戦いを強いられることになりました。

売出し開始

2020年7月、仲介業者さんとの契約を済ませ、売り出しをスタートさせました。

引っ越しは、11月の中旬〜下旬を目指すことにしましたので、年内の売買契約と引き渡しを目指して動くことにしました。

すると、売り出し当初から、内覧希望はちょくちょくと入りました。

内覧の受け入れでは、仲介業者さんに任せっきりはやめようと、家族で打ち合わせしながら積極的に対応しました。

まず内覧の予約が入るたびに徹底して掃除・除菌を行い、コロナ対策をばっちり行いました。

また、内覧にこられた人に、間取りのコピーと巻尺を渡し、サイズを書き込めるようにしてみたり、近隣の環境や、自宅設備などの具体的な使い方を説明したり、屋上庭園からの景色を見てもらったり、いろいろと考えながら、できるだけ工夫しました。

しかし、なかなか決まりません。

実際内覧にこられた方々は、十中八九気にいっていただけます。

しかし、立地などの条件が良く、相場よりかなり安いからか、1件目の内覧として来られる方が多く
「他の物件も見てから考えます」
と言われるケースがほとんどです。

また、やはり32年後に物件を解体するという地上権に引っかかるケースがほとんどでした。

8月頃は通常、物件の動きが鈍くなる時期ということと、さらにコロナの第2波が到来したこともあってか、内覧の件数が一旦下火になりました。

9月10月は、大手不動産情報サイト「SUUMO」へも掲載し、内覧件数も増えてきました。

しかし、同じような状況が続きました。

そうこうしているうちに11月に入り、物件の売却に見込みが立たないまま、移住することになりました。

値下げ

12月に入ったころ、連休を使ってオープンハウスイベントを開催することになりました。

そして、このオープンハウスにあわせて、大幅な値下げをしましょうと、こちらから提案しました。

値下げ額は、200万円で、1,980万円としました。

オープンハウスは、2週間ほど前からHPやチラシなどで告知を行った結果、値下げの相乗効果もあり、これまでの週末に比べると、かなり多くの方が内覧に来てくれました。

この頃はすでに淡路で生活を送っておりましたので、オープンハウスは仲介業者さんに全てお任せしていましたが、来年(2021年)の春に向けて具体的に検討したいと話している家族が2組ほどいらっしゃったということでした。

年内の決着は難しそうですが、かすかな光が見えてきました。

値下げ交渉

年が明けて2021年1月は、内覧が数組入る程度で具体的な動きはなく、検討中の2組も他の物件の内覧をしているということでした。

そして2月、検討中の1組が具体的に契約を進めたいとおっしゃっていただきました。

60代中頃のご夫婦と、80代後半のお母様3人でお住まいになるということです。

地上権についても、あと30年残っていれば十分ということと、2人の子供さんは両方娘さんで、すでに嫁がれていて関東の方で暮らしているということで、物件資産は残さなくてもよいということでした。

しかし、価格交渉が入りました。

担当者といろいろと話し合ったようですが、これ以上交渉は難しいというギリギリの金額を提示されました。

その額は、1,800万円です。

年末、200万円の値下げから、さらに180万円の値下げとなります。

1番最初の査定額が高額で期待が高かっただけに、この値下げ交渉にはテンションが下がりました。

それでも、購入価格だった1,680万円と比べると、プラス120万の計算となります。

2020年の7月に活動を開始してから、この時点ですでに7ヶ月を経過しており、移住はすでに完了してしまっています。

値下げ交渉が入ったものの、購入価格を上回っていますし、これ以上間延びさせるよりここで決めてしまった方がよい、と判断しました。

売買契約

そして2021年3月、売買契約が成立し、無事物件を売却することができたのです。

売買契約は、決済日を決めた上で事前に行いました。

契約書を作成する上で、物件や付帯設備の状況を報告書にまとめます。

物件の引き渡し日から3ヶ月間で、この報告書にない不具合や故障があった場合は、売主の負担で修繕などを行う義務があるということですので、気になる部分は全て報告書に盛り込みました。

また、住宅ローンが残っていましたので、並行して残債の繰上一括返済を申し込みます。

これにより、決済日時点の残債が確定されます。

そしてその額が、1,230万円でしたので、決済日に一括で返済することとなりました。

今回は、売却額(1,800万円)が返済額(1,230万円)を上回っておりますが、下回った場合は差額分を用意しなければいけませんので注意が必要です。

売買の決済日には、売主、売主側の行政書士、買主、買主側の行政書士、仲介業者が1箇所に集まって手続きを行います。

売主買主それぞれが、行政書士の説明を受けながら、大量の書類に署名捺印していきます。

そして、買主からお金を受け取り、住宅ローンの残債を振り込み返済します。

その後、住宅ローン会社が着金確認を取ったあと、行政書士に抵当権を抹消してもらって、売主側の手続きは以上となりました。

売却にかかったその他の費用は、仲介手数料24万円と、抵当権の抹消費6万円の、計30万円程度です。

そして、差額で手元に残った分から、上記の売却諸費用、すでに購入していた車の本体代、移住にかかった引越し代や諸費用、家具・家電を買い替えたり追加した費用、お風呂・トイレ・洗面所などのリフォーム代を差し引くと、プラスマイナス0ぐらいになりました。

住宅関連費用

結果的に、自宅の分譲マンションの処分は移住の4ヶ月前から、移住後4ヶ月の8ヶ月間もかかりましたが、無事に売却することができました。

では、住宅関連の費用についてまとめてみます。

売買損益

2011年に、83平米3LDK地上権付のマンションを1,680万円で購入しました。

購入時のその他費用の費用は約150万円でした。

2021年に、1,800万円で売却することができました。

売却時のその他費用は約30万円でした。

結果的に9年住んで、60万円の売却損ということになりました。

※減価償却や、付帯設備にかかった費用などは、複雑化するので考慮に入れておりません。

1ヶ月当たりの家賃

毎月の支払いはローン返済額50,000円(利子込み)と、管理費35,000円、団体信用生命保険4,000円(月額換算)、固定資産税11,000円(月額換算)の合計100,000円でした。

購入時150万円と売却時30万円の諸費用、計180万を1ヶ月当たりに換算すると、約16,600円です。

売却価格1,800万円から、返済額1,230万円を引いた差額は、570万円となり、1ヶ月当たり約52,700円です。

住宅ローン控除は9年間で合計約128万円となり、1ヶ月当たり11,800円となります。

それぞれを足し引きすると
100,000 + 16,600 - 52,700 - 11,800 = 52,100
となります。

結果的にこの9年の間、1ヶ月当たりの家賃は52,100円だった計算になり、家賃相場に対して3分の1程度で住めたことになりました。

まとめ

移住決断から物件の売却まで、8ヶ月〜9ヶ月と長期に及ぶ戦いを強いられました。

しかしながら、全てが終わってみれば、

妻が見つけてきた物件を、間髪入れずに購入したこと、

移住を決断したこと、

地上権でありながら残存期間がまだ30年以上残っている段階で売却活動がスタートできたこと、

購入価格より高値で売却できたこと、

結果的にこの9年間の住宅費が家賃相場の3分の1程度だったこと、

コロナ禍で不安定な時期に、住宅ローンという負債を全て清算できたこと、

などなど、全てが幸運だったように思います。

そして今も家族3人、淡路島で満足な暮らしを送っております。

今回も最後までご覧いただき、ありがとうございます。

これからも、淡路島での暮らしぶりや、観光・グルメスポットなどの情報を、主観を交えつつご紹介していきます。

これからも応援のほどよろしくお願いします!

 

 

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