移住を検討するにあたって、お子さんがいらっしゃる場合は、子どもの転校が1番の心配ごとかも知れません。
これは、移住に限ったことではありませんが、子どもがどれほど負担に感じるかは計り知れません。
もちろん我が家もそうでした。
妻が移住にあたって、何を差し置いても、これだけが心配と言ったのも子どもの転校のことでした。
手続きについては、何からどう手をつけてよいかも分からないと思います。
何より、我が子がどう感じ、どう考えるのか。
新しい場所で、上手くやっていけるのだろうか。
そのことの方が心配になると思います。
そこで、子どもにとって負担をできる限り減らせるように、いろいろと戦略をたてて動きました。
その結果、スムーズに転校することができましたし、我が子も学校を楽しんでいます。
この記事では、子どもの転校について、我が家の体験を交えながら、お話ししたいと思います。
目次
移住前の環境
我が子は女の子で、移住をした時に小学校2年生でした。
神戸では2歳から保育園に入り、そこから小学校へ上がりました。
保育園が小学校の校区内だったということもあって、同じ保育園出身のお友だちが多く、関係性はかなり良かったです。
妻にとっても、ママ友が多く、小学校も自宅から徒歩10分と生活圏内に近かったことで、登下校の時間帯には、お互いがお互いの子どもを見守りあったりと、地域の環境もよかったです。
ぼくも、毎朝出勤するときに娘と家を出て、10人程度のお友達と待ち合わせて小学校近くまで引率していました。
子供の気持ち
娘は、初めて淡路島の家を見たときに、すごくテンションが上がっていました。
そして、義父から移住の誘いを受けたときも
「ここに住みたい!」
と興奮しながら何も考えずに言っていました。
でも、いざ移住、転校となるとどうなるか、ぼくも妻も心配になりました。
とにかくまずは、娘の気持ちを何度も確認することからはじめました。
あえて気持ちが冷めたかなぁと思うタイミングで、少し意地悪なことを聞いたりもしました。
と、このような調子で、少し時間を置いてからまた聞いてみたり、聞き方を変えてみたりしても、ポジティブな答えしか返ってきませんでした。
気持ち的には大丈夫なようです。
転校のタイミング
それから転校をするとしても、今すぐなのか、学期が変わるタイミングなのか、新学年になるタイミングなのか、それとも別のタイミングなのか。
親バカぶりが少々行き過ぎかもしれませんが、子どもにとって一番負担の少ないタイミングを考えました。
新学年のタイミング
まずは新学年のタイミングを考えました。
このタイミングの場合、我が子は3年生に上がるタイミングとなります。
一般的に転校は、転勤などの都合で、新学年のタイミングが多いと思います。
そしてこれは同時に、クラス替えのタイミングでもあります。
学年の人数にもよりますが、3年生の場合だと、通常は3回目のクラス替えということになります。
3回目のクラス替えでは、まだ転校先の学校内でも、初めて同じクラスになるという子どもがいるかもしれません。
そうすると、はじめのうちは知っているお友だち同士で集団ができやすいので、初めてその場にいる転校生が孤立する可能性が高いのではないかと考えました。
また、担任の先生が変わるタイミングかもしれません。
もしも担任の先生が、はじめての先生に変わってしまうとすれば、子ども側も先生に慣れるまで時間がかかるでしょうし、担任の先生も子どもたちのことを理解していくまで時間がかかるでしょう。
そうなれば、転校生に対するサポートが大きな負担になるのではないかと考えました。
また、3年生から4年生の小学校中学年は「ギャングエイジ」と呼ばれる時期で、仲間意識や集団意識が芽生え、グループや派閥のようなものができてくる時期のようです。
ですので、3年生以降の転校は、より孤立しやすい環境になると考えました。
新学期のタイミング
次に、新学期のタイミングを考えました。
早ければ2年生の3学期のタイミングです。
新学期であれば、新学年の時のように、クラス替えや、担任の先生が変わるなどの大きな変化がないので、生徒側に余分な緊張感もなく、クラス全体で受け入れてくれやすくなるのではないかと考えました。
また、担任の先生も3学期であれば子どもたちの性格や特徴などをつかんでいると思いますし、子どもたちとの関係性ができていると思うので、子どもたちを巻き込みながら、一緒に転校生のサポートをしてくれるのではないかとも考えました。
ですが、新学期というのは、長期休み明けというタイミングでもあります。
特に3学期はクリスマスとお正月という2大イベントを終えてすぐのタイミングです。
久しぶりにあったお友だちに、クリスマスにもらったプレゼントのことや、お年玉のことなど、とにかく自分のことを話したいという欲求がとても強いタイミングだと考えました。
この熱がおさまるまで、転校生にとって面白くないんじゃないかなと思いました。
期中のタイミング
では、期中ではどうかを考えました。
早ければ、2学期中というタイミングです。
期中であれば、前もって転校する日を担任の先生が子どもたちに伝えてくれるでしょうし、もしかすると、クラス全体で何か受け入れの準備をしてくれるかもしれません。
また、長期休みを挟むわけではないので、上記のような興奮状態でもなく、純粋に転校生に対して「どんな人がくるんだろう」とわくわくしながら待っていてくれるかもしれません。
みんなの興味が純粋に娘に向かってくれれば、娘にとっても入っていきやすい環境になると考えました。
このタイミングで転校して、2学期中にお友だちができれば、長期休みを挟んだ3学期もスムーズにスタートできるでしょうし、新学年のクラス替えでも孤立することはないだろうと考えました。
期中の転校に決定
いろいろな観点で考えてみましたが、転校と同時に他の大きなイベントが重ならないような期中での転校が、娘にとってもっとも負担を減らせるだろうと判断しました。
とはいうものの、2学期は運動会や音楽会など大きなイベントが多いタイミングでもあります。
ある程度の期間をかけて練習しますので、これは通い慣れた神戸の小学校で参加したのちの、11月の中旬ごろに焦点を合わせて動くことにしました。
学校見学
夏休みの間、家族で淡路へ訪れたときに、学校を見に行ってみようということになりました。
夏休みでしたが、グランドで少年野球部が練習をしていて、校内へ入ることができました。
流石に校舎の中までは行きませんが、グランド、遊具、校舎の外観、窓越しに校舎の中などを見て回りました。
学校の裏側には、スクールバスのロータリーと、駐車場があり、グランドの横にも駐車場があります。
これは、神戸では考えられないことでした。
小学校へはスクールバスで通うようですし、駐車場は保護者が送迎のときに使うようです。
グランドは広く、校舎はすごく綺麗で、最近建てられたかの印象でした。
後から聞いた話ですが、校舎は5年ほど前に大規模な改修があり、新しい校舎を増築したということでした。
娘はこの学校をすごく気に入ったのか、早くここに通いたいと言うようになりました。
転校の手続き
子どもの気持ちも確認でき、移住のタイミングも決まりましたので、具体的に手続きを進めることになるます。
我が家の場合、神戸市から淡路市へ「市外への転校」となります。
必要書類
・転退学届(転校届)
・在学証明書
・教科用図書給与証明書(教科書給付証明書)
・就学通知書(転入学通知書)
手順
- 移住元の小学校へ、転校の旨を伝え、転退学届を提出します。
そして在学証明書、教科用図書給与証明書を発行してもらいます。 - 移住元の役所で、転出届を提出します。
- 移住先の役所で、転入届を提出し、在学証明書を提示します。
そして、就学通知書を発行してもらいます。 - 移住先の小学校へ、在学証明書、教科用図書給与証明書、就学通知書を提出します。
転校までの動き
我が家では、移住先の住所があらかじめ決まっており、11月中旬頃の引越しを目ざして、2ヶ月前から手続きをスタートさせましたので、非常にスムーズに進めることができました。
また、車の購入などの違う事情もあって、妻だけ先行して住民票を移住先へ移したこともあり、早いタイミングで役所に相談し転校先を紹介してもらうことができました。
そして、移住前に転校先の学校へ訪問し、担任の先生ともお会いすることができ、登校日初日の打ち合わせをしたり、体操服など準備に必要なものを教えてもらったりできました。
この時にスクールバスの運行について、移住先の最寄りのバス停や時間についても教わりました。
バス停は、移住先近くの漁港内にあり、徒歩3分の場所にありました。
一方神戸の方では、音楽会の日程が11月上旬にきまり、それに合わせて11月13日(金)に引っ越しの日を設定しました。
転校をクラスへ発表するタイミングは、担任の先生の方から相談してくださいましたので、約2週間前の10月末としました。
そして、引っ越し日当日も登校させてくださいとのことでしたので、娘が学校に行っているうちに引っ越しを済ませることになりました。
最終登校日には、お別れ会を開いてくださり、娘も勇気づけられたと言っておりました。
転校
初登校日は、2020年の11月16日(月)ということで、期間を空けずに登校することができました。
初日は提出書類もありますので、妻も一緒に登校しました。
この日に向けて、あいさつを考えて来てくださいとのことでしたので、練習して行きましたが、あいさつは職員室から全校生徒に向けて、iPadを通じて中継する形で行われました。
淡路市では、小学校3年生から中学3年生までの全生徒に、iPadを貸与しているとのことです。
初めての経験で緊張したようですが、練習したとおりしっかりできたようです。
クラスの受け入れですが、歓迎会を開いてくださいました。
教室の飾り付けをしてくれたり、クラス全員のプロフィール集を作ってプレゼントしてくれました。
2年生は34人の1クラスだけでしたので、学年全体で娘の転校に向けて、色々と準備して下さったことになります。
休み時間にも、クラスの子供たちから積極的に話しかけてもらえたようです。
そして、初日を終えて帰ってきてからも、プロフィール集を見返しながら、学校での出来事を嬉しそうに話してくれました。
転校のタイミングを色々と考えた結果、期中を選びましたが、おおむね狙い通りだった部分もあり、大成功となりました。
転校と子どものケア
色々な事情があるにせよ、転校は子どもにとって完全に親の都合によるものです。
そして、子どもに大きな負担を強いることになります。
できる限り負担を減らせるように工夫をすることが大切ですが、全くゼロにすることはできません。
移住を実現するにあたっては、子どもに対して1番時間をかけてあげる必要があるでしょう。
我が家の娘は、淡路の物件や海が近いロケーションなどにひかれて、移住に対してポジティブな気持ちから入りました。
それでも、1ヶ月以上に渡ってメリットやデメリットを伝えながら、気持ちを何度も繰り返し確認しました。
そして、移住してしばらくたった今でも、移住前後でよかったことや、いやだったことなど、家族で話し合うようにしています。
転校のポイントまとめ
移住にともなう転校を、出来るだけ子どもに負担をかけずにスムーズに進めるポイントをまとめます。
一緒に移住先に訪れる
子どもと一緒に物件の内覧や、周辺の散策などをすることで、気持ちが前向きかどうか確認することができます。
メリット、デメリットを話し合う
あくまで子ども目線のメリット、デメリットを考えながら話し合いましょう。
また、デメリットについては解決策も一緒に考えましょう。
転校のタイミングを考える
子どもにとって最適なタイミングはいつか、また、そのタイミングが子どもに与える影響にはどんなものがあるかを考えましょう。
手続きは早めにスタートし、事前に転校先へ訪問する
我が家では、移住の2ヶ月ほど前からスタートさせました。
そうすることで、事前に転校先へ訪問して雰囲気を感じたり、先生とお会いして協力を仰いだり、不明点を解決することができます。
授業の進み具合をチェック
転校のタイミングによっては、移住前後の学校で、授業の進み具合に差があるかもしれません。
この点についても、事前に転校先へ訪問できたことは、大きなメリットでした。
幸い、大きな差はなかったですし、転校で教科書が変わってしまう科目はコピーなどで対応してくれるということで、安心して登校させることができました。
転校後も転校前のお友だちに会いに行く
妻は転校後の今でも、転校前のママ友との交流を大事にしており、子どもを連れて食事会などに参加しています。
子どもも、転校前のお友だちとたまに会うことができますで、寂しくないと言っています。
子どものケアを欠かさない
転校することを、しょうがないことだと押し付けたり、説得しようとしてはいけません。
子どもが自ら納得できるように、子どもの気持ちを第一に尊重しながら、一緒に移住について考えましょう。
移住後も納得してくれた子どもに感謝しながら、日々の暮らしを楽しく過ごしたいものです。
最後に
移住に向けて動いていく中で、転校前後の子どものケアに1番の時間と心血を注ぎました。
結果的に、子どもは新しい環境にも適応してくれましたし、「転校したくなかった」などの後ろ向きな発言もまったくありません。
実際に経験してみると、転校は決してネガティブなことでないと思いました。
子どもも転校を経験したことで、大きく成長しましたし、家族も一緒に考えて行動したことで、絆が一層深まった気がします。
今回も最後までご覧いただき、ありがとうございます。
これからも、淡路島での暮らしぶりや、観光・グルメスポットなどの情報を、主観を交えつつご紹介していきます。
これからも応援のほどよろしくお願いします!